広井王子さんと日のり子さんの対談記事が届きました!

2012年12月26日(水)から12月29日(土)までの4日間、東京・青山劇場において行われる『サクラ大戦巴里花組ライブ2012〜レビュウ・モン・パリ〜』。たくさんの新曲や、新たな試みが込められた今回の舞台について、本公演の脚本、広井王子さんとエリカ・フォンティーヌ役の日のり子さんに語っていただきました。その一部をお届けします。

3年ぶり、巴里単独公演

広井:はじめて公演の話を聞いた時、どんな気持ちでした?

:嬉しかったです。やっほーな感じ(笑)。2009年に初めて巴里花組の単独ライブをやりましたよね。それまでのディナーショウでは、小さなステージでセットが置けなかったんですが、青山劇場ではすごく巴里らしいセットを置けたんです。そこで歌って、踊ったときに「ああ、これが巴里なんだなぁ」って。それまでは空想の世界で巴里を感じていたんですが、それが現実になったというか……。そのあと、2010年の巴里花組と紐育星組の合同ライブを経て、2011、2012年と紐育星組単独ライブを観たりしている中で、もっと巴里花組を深く追求したいなって思うようになりました。巴里の空気や音楽、会話の中で描かれているメンバーの雰囲気、そういうものをもっともっと掘り下げてやってみたい、皆さんにお届けしたいって……。

広井:僕は、巴里花組単独できちっと本(脚本)を書いたことがなくて、すごく申し訳ないって思ってました。帝都花組が終わった時に自分の中では出し切っちゃった感が……もうこういうのはやらないぞっていうのがあって。でも、奏組の時に、少しシナリオに関わっているうちに楽しくなっちゃって「他人のを直すんじゃなくて、俺に全部書かせろ」って勢いで言っちゃったの。


巴里花組ならではの舞台

:巴里花組はディナーショウからだったから、会話があったとしても、歌と歌との間をスムーズに進めるための、ちょっとしたセリフが多かったでしょ? こんなにじっくりと自分たちのキャラクターが描かれていることがなかったんです。今回、脚本を読んでゲームのシナリオを思い出しました。懐かしかったです。一人ひとりのキャラクターが、こうだったんだなぁって。(中略)今回のシナリオ、渉君が本領発揮しそうなストーリーですよね。シゾーの心の内が描かれて、キャラクターの振り幅が分かるから、彼も今後やりやすくなると思います。

広井:今回登場する新キャラクターは、現場ともけっこう話し合って考えました。シゾーは、もともと悪人だったのに、今だとコメディアンみたいな道化になっちゃってる。シゾーが可哀想だなって。(中略)今回は、覚えるの大変だと思うよ。特に渉が出てくる登場シーンは、まさにミュージカルだからね。


新曲への想い

広井:当時の巴里は、人と人とのつながりが今よりずっと濃いんだよ。ジュテームが重い。でも、今回のはやっぱりサクラのショウだから、明るく、軽やかに書きたかったの。友情とか、もっと広い意味での愛みたいな形でね。ただ、ロベリアが歌っている曲なんかは、ジュテームがけっこうきつく出てて、難しいよね。

:ロベリアが巴里花組の色恋担当になっているところがあって、危険な巴里の匂いが、ロベリアと花火の曲に凝縮されている気がします。グリシーヌは貴族風というか、正しき宝塚の男役というか……。きっと今回の冴子さんの大きなテーマになると思います。エリカの曲は、やっぱり明るい曲です。この曲を歌えるのはやっぱり私だって感じしますね、青春に酔えるのは(笑)。思いっきりいきますよ。パアーッと! 日の出のような勢いで!

広井:シャンソンばっかり書いていると、シャンソンってわりと暗いから、どうしよう、1曲パンチの利いたのが欲しいなと思って。時代背景とはちょっと違うんだけど、ロックンロールっぽいのもあっていいか、そうなると、やっぱりエリカしかないなぁーって。


おわりに

:最初サクラ大戦に入った時に、広井さんに「あなたがリーダーですよ」って言われて、頑張らなきゃ、頑張らなきゃって、肩肘張っていた時期もあったんです。でも最近は弱音を吐いたり、みんなにざっくばらんに話せるようになって。11年かけてお互いのことを理解して、最近では、みんなが私のことを守ってくれるようになったんです。この舞台のお話は、まさに絶好のタイミングだと思いました。お芝居って、やっていく中でトンネルに入り込んで出口が分からなくなって、迷ったり、悩んだりすることがどうしてもあるんです。そういったことをみんなで補い合いながら、みなさんに良いショウをお見せするぞって、今はワクワクしています。

広井:今回は巴里で初めてガツンと書いたので、是非みなさんに観てもらいたいですね。最近舞台から離れていた方も、是非観てください。自分が観たい舞台を書きました。本当に今回は、自分でチケットを買って観に行きたいです。


上記対談の全文は、『サクラ大戦巴里花組ライブ2012〜レビュウ・モン・パリ〜』ライブパンフレットに掲載しております。ライブ本編と合わせて、お楽しみください。