まもなくスタート。会場には報道関係者、流通関係者…多くの人が詰めかけた。
 2002年7月1日、東京・赤坂プリンスホテル五色の間にて『サクラ大戦 ワールド・プロジェクト』が開催されました。香山COOがドリームキャスト撤退の際に、「新しいサクラはPS2で発表する」と宣言してから1年半。ついにその日がやって来ました。
 当日は、報道陣、流通関係者など300名以上がつめかけ、用意した席はすぐに埋まってしまいました。
 そして、ふたを開けてみれば新タイトル7本の怒涛の発表をはじめ、コミック、OVA、舞台、テレビアニメ、映画とあらゆるメディアへの展開が発表され、“サクラワールド”は世界を視野に入れた展開をしていくことが宣言されました。


「サクラ大戦 ワールド・プロジェクト」発進!!



「今日は新しいサクラのスタートの日です。私は『サクラ大戦』の責任者として自信を持って世界に通用する、世界の人々に受け入れていただけるという、そういうものにできるという確信をもって臨んでおります。
 この作品を世界に展開していくのには、いくつかの理由があります。第1に最高のスタッフ、キャストに恵まれていること。それからコンセプトがすごくいいということ。光と闇の闘いというテーマは、『スターウォーズ』が持つ善と悪との戦いといった普遍的な大きなテーマに通ずるものがあるということ。
 そして世界に展開するために、広井さんには3つのお願いをしました。“空間を広げてください”、“時間を超えて広げてください”、“表現の世界を今までのものにとらわれず新しい展開をしてほしい”。この3つを組み合わせていくことで、『サクラ大戦』の世界観を大きく広げていくことができる。そうすれば、日本を代表する世界に通ずるエンターテイメントになれるはずだ。今日がスタートですから今までと違った形でサクラは、より大きく発展していくと思います。」

 ステージには総合司会として、広井王子さんと、「音楽から作るゲームがあってもいいんじゃないかという思いがあった。」という田中公平さんが登壇し、広井さんと田中さんがいっしょに、サクラ大戦ワールドプロジェクト「発進」宣言を行いました。


「新たなサクラシリーズを作る際に3つのお願いを広井さんにしました」と語るセガ香山哲COO。

総合司会はもちろんレッド・エンタテインメントの広井王子さん。

「1つの歌が7年にわたって歌い継がれるというのは本当に稀なことです。」と田中公平さん。

『サクラ大戦』新シリーズ発表!!




発表されたタイトルについて解説をする大場さん。

「サブキャラとのエンディングというのは三人娘ですか?(広井)」「…そうです!(大場)」
 発進宣言の後、会場のスクリーンには今後発売が予定されているサクラ大戦関連ソフトが一挙に7タイトルも発表されました。そしてそれらの解説のためオーバーワークスの大場さんが登壇、2人の掛け合いで新タイトルが紹介されました。今回発表されたタイトルは、一気に発売するということではなく、長い時間をかけて徐々に発売していくことになる、ということです。

『サクラ大戦 〜熱き血潮に〜』

 「『サクラ大戦 〜熱き血潮に〜』は、“小説の映画化”“マンガのアニメ化”といった表現を借りるとすれば、“サターン版『サクラ大戦』を原作と見たて、新たにゲーム化した”ということになります。まずグラフィックを全面新規作成いたします。全10話だったシナリオを再構成し、更に“これだけははずせないんじゃないか”といったエピソードを追加して12話になりました。また、サクラ4までに登場したLIPSに加え新たなLIPSも増えますし、システム面ではイベントキャッチも導入、そしてサブキャラにも信頼度を設定して、今回はなんと三人娘とのサブキャラエンディングも追加されます。それからドリームキャストではビジュアルメモリとの連動があったりもしたのですが、今回PS2ではiモードと連動します。例えば「サクラ1」に登場したミニゲームなんかも、iモードで遊べたりします。」

『サクラ大戦5 〜さらば愛しき人よ〜』

 「今回は紐育(ニューヨーク)華撃団・星組が登場します。なぜニューヨークが舞台に選ばれたかというと、ブロードウェイがあり、レビューの本場であるということ。この時代にはアル・カポネがいるし、踊りはチャールストン、それならばニューヨークしかないだろう、と。映画(サクラ大戦 活動写真)から引っ張ってる部分もあって、ラチェットが登場します。それから、主人公は大神ではありません!」

『サクラ大戦5 Action』『KOUMA/降魔』『桜姫錦絵巻』

 「世界に展開するなかではアクションゲームが必ず必要だろう、と思っています。海外では(サクラ大戦の世界には)アクションから入ってもらったほうがわかりやすいと思い、3つのスタイルの違うアクションゲームを企画しています。

 まず『サクラ大戦5 Action』は、インディ・ジョーンズ風のアクションをイメージしています。アメリカでの発売は『〜5 Action』の後に『〜5』という(日本とは反対の)順番になるかもしれません。『KOUMA/降魔』は、「サクラ大戦」のなかの歴史にあった降魔戦争をモチーフにしたアクションゲームです。まったく新しいスタイルのもので、おどろおどろ風です。『桜姫錦絵巻』は、まだ企画を進めている段階です。サクラのルーツをたどるような物語にしようということで、仙台藩の伊達騒動をやろうと思っています。純日本風のアクションゲームです。」

『サクラ大戦物語 帝都篇/巴里篇』

 「サクラファンのためにキャラクターと世界観をきちんと描いた正統なアドベンチャーです。従来の作品のアドベンチャーパートのみを取り出しパワーアップしたものです。」
 
『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』

 「同タイトルのPC版です。これは日本だけでなく、アジア(中国、台湾)にも広げていきたいと考えています。」

『サクラ大戦』メディアコンテンツ




「『エコール・ド・巴里』では“おはようダンス”のルーツが明らかになります!」

「この間マガジンZの編集がぼくのところにきた時、『広井さんの原稿が遅いんです』と泣きつかれましたよ(あかほり)」「ちゃんと書いてますよ!(笑)(広井)」
 サクラ大戦シリーズ構成・脚本のあかほりさとるさんが登壇し、OVAやコミック、さらには映画やテレビアニメ(?)の話が飛び出しました。

 「OVA『サクラ大戦 神崎すみれ引退記念特別版「す・み・れ」』ですけど、神崎すみれは舞台(新春歌謡ショウ)ではきちんとした引退の場を作ってあげられたけれど、OVAのスタッフから「舞台だけ引退セレモニーをやるのはちょっとずるいんじゃない?」と。(富沢さんの降板は)通常だったら声を替えればいいんだけど、サクラは我々の「想い」で作ってきたものだから、それはありえない。だったらすみれ自身を引退させたほうがいい、と。そのような経緯で製作されました。
 『サクラ大戦 〜エコール・ド・巴里〜』は、巴里花組がはじめてOVAで動きます。3巻で決定しています。そのうちの1巻はまるまるショウを見ているような感じになります。

 漫画ですが、マガジンZで7月26日号より『サクラ大戦』の連載が開始されました。実は漫画原作って10年ぶりくらいになるのかな? 作画のほうは政一九先生です。ホントすばらしい絵で、よくぞマガジンZは(政一九先生を)見つけ出してくれました!」

 その後、あかほりさんからテレビアニメも映画もやりたいという話が飛び出しました。広井さんは、「テレビアニメは来年の3月か4月をめどに企画しましょう。映画もやりましょう。1時間50分くらいのサクラ本編と20分くらいの短編とか(笑)タイトルも“アイリスのラムネ大作戦!”みたいな気軽な感じで(笑)」と、応えていました。

 「せっかく(ステージの)後ろに香山さんもいるんだし、言っちゃったもん勝ちだから(笑)」


『サクラ大戦』舞台コンテンツ




「青山劇場の機構をフルに活用したい」

帝都花組+大神、かえでが「ゲキテイ」を熱唱!!
 「『スーパー歌謡ショウ 〜新編 八犬伝〜』は、地方の方や、今回は来れない方も見ることができるように有料ではありますがブロードバンド配信を予定しています。稽古風景なども何回か配信する予定です。本当にスーパーなショウをつくってみようと思っています。
 また、2003年の春、東京・青山劇場において新春歌謡ショウの開催も決定しました。ファンからの要望が多かった地方公演に関しては、大阪公演に挑戦しようと思っています。8月にくわしい発表をする予定です。

 サクラを通じて、僕自身も成長することができた。
40になりプロデューサーになってから、いろんな「想い」を耳にすることが多くなった。そういう人たちの「想い」を聞きながら、サクラを作っていけたらな、と思います。
……最後に、サクラには欠かすことのできないスペシャルゲストが駆けつけてくれました!!」

 すると照明が落ち、会場内に響く「ゲキテイ」のイントロ。ステージにライトが当たるとそこには9つのシルエットが!! 幕が降りると、なんと帝都花組7名(横山智佐さん、高乃麗さん、西原久美子さん、渕崎ゆり子さん、田中真弓さん、岡本麻弥さん、伊倉一恵さん)、かえで(折笠愛さん)、大神(陶山章央さん)が「新編 八犬伝」の衣装で颯爽と登場し、ゲキテイを熱唱!「八犬伝」の衣装でのゲキテイは歌謡ショウでも行わない今回限りのスペシャルステージということで、来場者も大満足!!

世界に向けて「SAKURA TAISEN」発進!!




みんな揃って記念撮影。「これからもサクラ大戦をよろしくお願いします!」
 最後に香山COOが再び登場し、「舞台の裏で「ゲキテイ」が流れるのを聞いていたわけですが、サクラは間違いなくすばらしいエンターテイメントだと感じました。

 さて、今後“サクラワールド”は文字通り全世界に広がってまいります。そこで世界へ向けてのタイトルロゴに関しても『Sakura Wars』ではなく『SAKURA TAISEN』と決定いたしました。サクラは日本を代表する世界に通ずるエンターテイメントになると確信しております。」とコメントし、『サクラ大戦 ワールド・プロジェクト』は無事終了しました。

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