陶山 |
稽古期間が短かったんだけど、ああいうやりとりの部分の稽古が少なかったのはヤバかった。みんなの大変なダンスとかの練習の後に、流れだけ追うみたいな練習だったんだよね。しかも、当日も通しが出来なくて、ギリギリ場当たりだけで |
菅沼 |
1回だけ、台詞も喋らず、その場を歩いただけだったんですよね。で、その時に舞台監督さんに『そこ穴開いてるから気をつけて』って言われて |
陶山 |
一応稽古場にもテープでは貼ってあったんだけど、原寸では取れてなかったし。でね、場当たりの時には何事もなく出来ちゃったわけです。位置が本番と若干ズレてたんですよ。というか、どのみち本番は『稽古よりもっと良くやろう!』と思って、速く歩いたりして位置がズレてくるものなんですけど |
菅沼 |
確か、僕が先に歩いてて『海はいいよな〜』って言うんですよね |
陶山 |
で、俺はそれを受けて、舞台の中央で『効果音だけどね』って言わなきゃならないんだけど、そのわりに新次郎の台詞の時、まだ俺は新次郎の横にいたんだよね。だから、急いで舞台中央にいかなきゃって思ったんだけど、舞台上は照明がスゲー当たってて |
菅沼 |
舞台の照明って、当たってるとほとんど見えないんですよ。周りが |
陶山 |
そう、穴なんて全く見えなくて。で、前にいたサニーさんを大回りで避けてちょっと真ん中に寄ったら・・・そこに穴があったんです! |
菅沼 |
ほんの少し歩く速さとか避けた位置が違ったらねぇ |
陶山 |
そういう偶然が重なっちゃって、前代未聞の・・・ |
菅沼 |
サプライズが起きてしまったと(笑)。でも良かったのは、またそれも偶然なんですけど、下に流木が、命の恩人である矢尾(一樹)さんがいてくれたからね・・・ |
陶山 |
ちょっと待て!あれほとんど矢尾さんに当たってないから!矢尾さんが面白おかしく言ってるだけだから!矢尾さんのおかげで助かったんじゃないんだよ?・・・こうね、四角い落とし穴があるじゃん |
菅沼 |
“落とし穴”って(笑) |
陶山 |
あの時、俺急いで前に進んでたじゃない?だから、真下にスポッと落ちたんじゃなくて、ちょっと前のめりの姿勢で落ちたんだよ。あの落とし穴は意外と小さいから、前のめりの姿勢のせいで穴のフチにまず胸を直接コーン!と打ちつけちゃったんだよね。そこですべての衝撃を吸収しました(笑) |
菅沼 |
じゃ、ダメージはほとんど胸なんですね(笑) |
陶山 |
そう。胸で一回引っかかって、あとはズリ落ちていくだけ。武道館の奈落は低くて、穴の高さが2mくらいだったから、そのズリ落ちていく時に、出っ張ってた矢尾さんの流木の頭にちょっとお尻がかすっただけだから! |