師匠、街に着きました!
イエスッ、サンフランシスコです!
……って、なんでサンフランシスコなの〜っ!?

……おっかしいなぁ。
サンフランシスコって紐育の手前だった?
ぜんぜん逆だよぉ……
ちゃんとに向かってたつもりなのに〜!
もうー、紐育ってどっちーっ!?
◆サンフランシスコ (1つ目の「サンフランシスコ」からリンクで繋がる日記です)
あーあ、絶対に紐育だと思ったのに、
「サンフランシスコへようこそ!」だって……
この看板、小粋な紐育ジョークだったりしないかな?
実は街の人もみーんなグルで、
通りかかった旅人をだましてるの。
そしてそして!! 見事に見破った旅人には、
すごい賞金とごちそうがもらえちゃったりするのっ!
なんちて、なんちて〜っ!

……そんなわけないか。
そんなこと街の人に聞いたりしないから、
ラリー、止めなくても大丈夫だって!
あーぁ、早く紐育へ行かなくちゃ!
◆サンフランシスコ (2つ目の「サンフランシスコ」からリンクで繋がる日記です)
サンフランシスコは今、カーニバルの真っ最中。
広場はダンスをする人や、大道芸人でいっぱい!
見てるだけで楽しくなってきちゃう。
その上、なんと!
ごちそうが食べ放題なんだよっ!!
キャーッ! ステキーッ!
方向音痴もたまにはいいじゃんっ!!

紐育に行かなきゃいけないんだけど……
とりあえず、カーニバルを楽しんじゃおっと!!
◆東
お日さまの出る方角が東。
それはまちがいない。うん、大丈夫。
毎日、ちゃんと朝日が出る方角を確認して、
その方角にあるものを目印に走ってるんだし……
たとえば……野良蒸気とか。
野良蒸気は目立つから目印にはいいんだけど、
動くから追いかけるのが大変なんだよね。

あれ? 待って待って!
目印が動いちゃったらダメなんじゃない?
あれれーっ?

サンフランシスコが近いって教えてもらったので、
ここまでスチームカーに乗せてきてくれた
ヘンリーさん一家と別れて、
街へ向かうことにした。

そろそろ保存食や薬がなくなりそうだったから、
買い揃えたいと思ってたし……
サンフランシスコなら、お店もいろいろあるだろうし。

ここからならわたしの足でも半日ほどで着くみたい。
日暮れまでに着けるといいな、うん。
◆ヘンリーさん一家
ヒッチハイクさせてもらった家族。
ロサンゼルスへ引越しする途中だって言ってた。
別にあてのある旅じゃないから、
一緒に付いていっても良かったんだけど……

別れるときに奥さんが食料をわけてくれた。
「あんたは小さいくせに良く食べるからね」って、
たっぷり3日分くらい持たせてくれた。
自分たちだって、そんなに食料を持ってるわけじゃないのにね。
優しくて、あったかい人たち。
だから、離れて良かったと思う。
離れがたくなっちゃう前に……
◆買い揃えたい
問題は……お金だ。
サンフランシスコでなにか仕事を見つけられるといいな。
でも、わたしの場合、大きな街のほうが仕事にありつきにくいんだよね。
大きな街では、子供だっていうだけで門前払いされてしまうから。
小さな田舎町だと、ちょっとした作業をわたしみたいな
子供にも任せてくれるんだけど……しかたないよね。 残りのお金で必要なものを買い揃えたら、
すぐに次の街へ行ったほうがいいかもね。


また今日も、あの女の夢で目が覚めた。
炎の中で聞いたあの嘲笑。
隊長や俺の仲間たちを踏みにじり、馬上で笑っていた女。
毎晩、毎晩、あの女の夢を見る。
いつ俺はこの夢から解放される?
決まっている。
あの女を殺した時だ。
あの女にこの銃弾を撃ち込んだ時だ。
隊長の仇を討った時だ。

毎朝、女への憎しみを新たにする。
あの女への憎しみが俺を突き動かす。
この憎しみだけが俺の生きる糧だ。
◆生きる糧
トライサイクルのミラーに映った
自分の顔色に驚いた。
そういえばこのところまともに
食事をしていなかった気がする。
睡眠だの食事だのはつい忘れてしまう。
たまには肉でも焼いて食うか。
まだ手をつけていないハムがあったはずだ……